夕影丸の過去:幼少編


ある嵐の夜、外はどしゃぶりで雷が鳴り響く
僕の家の中は・・・何故か血生臭かった

「ち・・・父上・・・ははう・・・夕・・・那!?・・・あ、あにう・・・、これ・・・!?」

僕はちゃんとした言葉に出来なかった、することが出来なくなっていた
頭がこんがらがって・・・涙が溢れ出てて・・・訳が分からなくなった

その中、兄が血糊がべっとり付いた刀を持ったまま僕の方を向いた
その飛び散った血糊の付いた顔は・・・驚くほど冷静を保った、清潔な顔をしていた

「夕影・・・俺達は闇なんだ、こうするしか無いんだ・・・、これからは俺と一緒に生きていくんだ、な?」

「う・・・ぐすっ・・・うん・・・」

僕はなんだかよく分からないまま、兄にすがることにした
父上や母上、妹の夕那を・・・したのは・・・兄なのに・・・


 


 

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