Frozen Memory |
作者:可奈丸
「くっ・・・もはやこれまでか・・・」
「カイゼル!諦めないで!」
「少しは知っているでしょう、数々の禁忌と呼ばれる遺跡を見ている君ならね・・・」
あの事件の翌日の休み時間・・・
可奈「ねぇ知ってる?昨日の朝、ヴァサー先輩とアシュ先輩が誰かにやられたらしいよ!」
清蓮「まぁ、怖いですわねぇ」
アンリ「え、私知らなかったな〜」
ルミア「変ね・・・そんな大きな事件があったらもう学園中の話題になってるはずよね?」
可奈「なんか学園ぐるみで何か隠してそうね・・・、リージュは何か知らない?」
リージュ「えっ・・・」
(闇リュオー「キサマラ・・・スベテヲ・・・ケシサル・・・」)
リージュ「・・・わ、私も知らないよ・・・」
可奈「そう、なんかやばそうなこと知ってそうな気がしたんだけど・・・気のせいか」
リージュ「!?・・・」
アンリ「(?リージュどうしたんだろ・・・なんか元気ないなぁ・・・)」
同刻、その頃・・・
【会議室】
鎖「二人ともまだ怪我が完治していないんだから無理はしないでね」
ヴァサー「これくらい大丈夫ですよ、先生方すみませんねぇ・・・無理を言って来ていただいて」
ファザム「さて・・・ヴァサー、アシュ、一体何があったんだ?」
カイゼル「何か隠しているのなら・・・」
ヴァサー「あれは・・・私達を咎めに来た者達ですよ」
ガンム「何?」
アシュ「俺達は元々、この学園で騒ぎを起こすためにある高校から転校されたんだが・・・」
ヴァサー「どうやらここの空気に我々も飲まれたらしく、最近は失敗続きですよ、まったく・・・ふっ」
ガンム「ヴァサー・・・アシュ・・・」
ヴァサー「私達を退学させたいのならご自由に、もっとも私達にはもう帰る所などありませんがね・・・」
ファザム「いや、君達はうちの生徒だ、そう簡単には退学できないよ?」
ガンム「(父上・・・)」
ヴァサー「学園長はお優しいことで・・・うっ」
アシュ「大丈夫か?兄者・・・ぐっ・・・」
鎖「ほら二人とも、無理はしないようにって言ったでしょう、保健室に運びますね」
ファザム「あぁ、そうしてくれ」
鎖「じゃ、ほら二人とも、自分で立つことぐらい出来るでしょうが!」
ヴァサー「あいたた・・・保険医のくせに無理させますねぇ・・・」
鎖「もう子供じゃないでしょう?」
ヴァサー「ふふっそうですねぇ・・・学園長」
ファザム「ん、なんだね?」
ヴァサー「彼らはまた来ますよ、ここまで表に出てくるということはね・・・」
ファザム「あぁ・・・解っている、君達も気をつけなさい」
ヴァサー「お気遣い、どうも有難うございます・・・」
ブロン「・・・さて、これからどうします?学園長」
ファザム「・・・たぶんヴァサー達を襲ったのは、彼らが転校する前に通っていた『ジェノ・ゲイシズ高校』の者だろうな」
ファントム「あそこはその系統の噂や疑惑は数知れない・・・だが確証が無い」
ゼロ「そんな物は必要無いだろうが、さっさと向こうに答えさせた方が良いんじゃないのか?」
ファントム「ゼロ、下手に事を荒立てれば向こうの思う壺だぞ」
ガンム「第一、他にもあそこと揉めた学校はことごとく廃校になっている、何者かが裏を引いているだろうしな」
ゼロ「ちっ・・・だったらどうすればいいんだ?このままじゃ何も進まないぞ!?」
カイゼル「まぁまぁ、ゼロ先生、少しは落ち着きましょう・・・」
ファザム「まずは生徒の安全が第一だ、各自は見張りを、一時間おきに交代、警戒を怠らないように」
全員「はい!」
ガンム「・・・まるで軍隊だな・・・」
カイゼル「仕方ありませんよ、ウチの学園で生徒が怪我を負わされたんですから・・・、ところでバイム先生は?」
ガンム「あいつなら保健室ですよ、なんせヴァサーとアシュは自分のクラスの教え子ですからね・・・」
カイゼル「ほぅ・・・さすがは兄弟、というとこですかな?」
ガンム「よして下さい、今はあいつとは縁を切っているようなものですから・・・」
カイゼル「ほぅ・・・」
ドォォォン!
ガンム「な、何の騒ぎだ!?」
ファントム「今のは・・・保健室辺りか!?」
カイゼル「尋常じゃなさそうですね・・・みなさん」
全員「・・・・・・(コクッ)」
タッタッタッタッタッ・・・
ファザム「鎖先生、どうしたんです一体?」
鎖「いたた・・・いきなりあの二人が壁壊して突っ込んで来たのよ」
ファントム「!?ヴァサー、アシュ!!」
ガンム「バイム!!?」
メルティ「おやまぁ、龍牙学園の先生方がお揃いで、どうも、私はメルティゼルエル」
リガ「俺の名はリガ・ホーク、覚えとくんだな!」
ガンム「おまえら、一体何を!?」
メルティ「この三人は連れて帰らさせて頂きますよ」
リガ「こいつらでもアレを使えばまだ使えるだろうしな」
ガンム「何だと!?」
アンリ「(あっ、あれはもしかして・・・昨日の犯人!?だったら(自称)刑事の私が捕まえてやる〜!)」
ピィィィ〜ッ!
ブロン「なんだこの音は?」
カイゼル「これはあの娘の・・・まさか!?」
ダダダダダダ・・・
アンリ「こら〜!そこの二人、抱えてる三人を直ちに下ろしなさぁ〜い!!」
リガ「兄貴、なんか五月蝿い娘がこっちに近付いてるんだけど」
メルティ「ちっ、次から次へと鬱陶しい!」
バシィ!
アンリ「きゃぁっ!」
カイゼル「ッ、アンリ!?」
アンリ「あいたた・・・あ、カイゼル先生」
カイゼル「良かった・・・大丈夫そうですね」
アンリ「私がこれぐらいでまいると思います?」
カイゼル「ふっ・・・そうですね、私のチョークも効かなくなってきましたし、そろそろ本気でいきますからね」
アンリ「えぇ〜そんなぁ〜」
ファントム「カイゼル先生!そんなことを言っている場合じゃないでしょう!!」
カイゼル「あぁそうでしたね、アンリさんは安全な所に行ってなさい」
アンリ「でもそこに・・・」
カイゼル「これは先生達の問題です、いいですね?」
アンリ「(カイゼル先生の目が本気だ・・・)分かりました・・・」
カイゼル「ふむ、それで良いのです、さぁいきますよ!」
メルティ「ふん、付き合ってられんな、リガ、さっさとずらかるぞ!」
リガ「了解、兄貴!」
シュタッ
ガンム「まっ待て!?・・・くそぉ!」
カイゼル「ガンム先生・・・」
ファザム「(しかし奴らは何故ヴァサー達を・・・、まさか・・・!?)」
―続く―
アトガキ
タイトルは直訳の方が理解しやすいです
ヴァサーは皮肉喋りですがちゃんと気持ちは込めているでしょう
書いている内に誰が主役だったのか一瞬忘れてました・・・
気付いている方もいるでしょうが、次のオチは本編を知っている方は大体の人が解るネタです
因みに解り辛いのですがカイゼルの問いに皆さんは無言の頷きをしています
しかし文章の書き方を変えたくなかったので解り辛くなったことをお詫びします