真夏の夜の・・・

 


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作者:麻機

 真夏の夜の・・・

暗い・・・周りには建物の影も見えない、そんな所に立っている気がする。
目を凝らし、周りを把握しようとすると光が弾けて物が見えてきた。

ソレは異形の化け物だった。
手は何かの血に濡れ、その手を化け物は呆然と見つめている。
何故かソレの思考が流れ込んでくるのだ。
化け物が何かに反応して顔を上げる。俺もつられて同じ方向を見上げる。
そこには少女が立っていた。
あれ・・・・俺は、あの女の子を見た事があった筈なんだけど。誰だったっけ?
少女は何かを叫びながら、悲しい瞳で化け物を見つめる。
叫びは耳に届いてこない。
なぁ、何て言ってるんだ?俺にも聞こえるように叫んでくれよ。

 「俺は、確かに君と会った事がある筈なのに。何で思い出せないんだ?」

視界が揺らぎ、気が付けば別の所に俺は移っていた。そんな気がした。
またあの少女が叫んでいる。でも今度は場所が違う。
上で・・・何か起こっている?視界を上げると、すぅっと俺の身体が上に動いた。
動いた場所・・・上空では、何かが戦っているのか?
さっきの化け物もそうなんだけど、何でか少女以外は影でできたようになってて明確に分からない。
片方は・・・かなり大きいみたいだ。さっきの化け物みたいだけど、凄く怖い。
禍々しいって表現はコイツに使うんだ、きっと。
もう一つは・・・何だろう、こっちも見た事あるような・・・というよりは、知っているような?
きっとあの少女が叫んでいたのはコイツに向けてなんだ、そう感じた?
じゃあ、このもう一つの影はさっきの化け物か?

「お前、一体何者なんだよ?何で俺はお前に見覚えがあるんだ?」

また視界が揺らいで、今度は綺麗な場所に出た。草原?よく分からない。
そこで俺と同じような――というか、同族?――の誰かと女性が話している。
遠くてよく見えないけど・・・・とても楽しそうだ。

今度は少しの間だけしか見れなくて、強制的に元の場所に戻された。最初の闇の中だ。
その中に、黒い球のような・・・光のような物が浮かんでいた。
それから淡い小さな光が抜け出てきた。
カッと光ったと思うと大きくなって、さっきの黒い光が何処かへ消えていた。
それに手を触れると、光が溢れて・・・・・・

「そこで夢が覚めたんだよな」
「・・・・・で、先輩。何でそこで俺に言ってくるんですかぁ?」
俺は今朝見た夢のあらましを、こういう事に詳しそうな後輩に話して聞かせていた。
「だってお前ってさ、そういう不思議な事に詳しいし。分かるかなと思って・・・・」
「はあ・・・・」
気の抜けた返答をして暫く悩む。
「で、どうだろう霞星?何か分かるか?」
「いやぁそう言われても・・・・でも、それって先輩の前世だったりして」
「前世で何で今見知ってる顔らしいのが出てくるんだよ」
そうなんだ、ずっと昔の・・・こうして生まれる前の記憶なら、おかしいんだ。
今の状態で見知った顔なんて出てくるワケない。
「だってその位しか思い浮かばなかったんですよ〜・・・」
「・・・そう」
こっちが迷惑だ、って顔の霞星を置いて俺はその場所から歩き出した。
そんなワケ分かんない前世なんて、信じられるか。

おしまい

はい、夢ネタです。しかも今までと全然違う雰囲気になっちゃいました(ぇ
正直趣味丸出しです、元とオーバーラップし過ぎ(ぇ
まあ本編読んでると分かると思うんですが夢見てたのリュオーさんですから。霞星は今回被害者?(笑)
夢の内容は本編の気に入ったシーン(微妙に内容うろ覚え)を上げたのにプラス創作みたいな。
久々の投稿がこんなんでスイマセヌ。8月中に小説投稿するなんて言い過ぎなき ゃ良かったかもー(ぉ
因みに題名は松任谷由美のあの歌だい(ぇ