―第三話― 武闘殺陣開催 |
―其ノ壱― |
【宿屋『宿り木』 2階】
J・ジーク「・・・何だそのチラシは?」
エグザード「この前拾ったんだけどな、なんでもグランジル王国とかで『武闘殺陣』って言う武祭をするらしいんだ」
ブレイザー「優勝すればそれなりの大金が出るって話だ、最近は賞金首も出てこねぇし飯は食えずじまい」
J・ジーク「だからこの武祭に参加して賞金を手に入れるというのか?」
ブレイザー「まっそーゆーことだな」
エグザード「J・ジークも出るだろ?」
J・ジーク「悪いが断る、そういう類のことには興味が無いのでな、私にはそれ以上にしなければなら・・・」
???「へぇ〜、あなた達この武祭に出るんだぁ」
三人が声の方向に振り向くと階段に一人の少女が立っていた
エグザード「え〜っと・・・君誰だっけ?」
思わずすっころぶ少女とJ・ジーク
???「ちょ、ちょっと〜!命の恩人の名前を忘れたの?」
J・ジーク「この子はユミカ殿、この宿屋の主人の娘さんだ」
ユミカ「そうそう、うちの店の前で生き倒れてるあなた達をただで店に入れてあげたんだから覚えておいておきなさいよ」
ブレイザー「あぁごめんごめん、このツケはこれに優勝したら払うからさ」
ユミカ「ところであなた達、グランジル王国に行く道知ってるの?」
ブレ&エグ「「あっ・・・」」
J・ジーク「まさか知らないで参加しようとしていたのか?」
ユミカ「それなら私が道案内してあげるわよ、ここからそう遠くないし」
エグザード「ほんとか!?すまねぇなユミカ!!」
J・ジーク「すみませんなユミカ殿、エグザード・・・少し馴れ馴れしくないか?」
ユミカ「いいよそれぐらい、私も見てみたいしね、それとあなたもユミカでいいよ♪」
ブレイザー「そういえば自己紹介がまだだったな、俺は「瞬殺の闇」ブレイザー」
エグザード「そんでもってオレ様が「閃光の暴君」エグザード!」
J・ジーク「通り名を自分で言ってて恥ずかしくないのか・・・私はJ・ジーク」
エグザード「あっこいつ「天才なる刻印術師」、もしくは和洋」
J・ジーク「なんなんだその呼び名は!」
エグザード「だって見た目洋風なのに技が和風だし」
J・ジーク「失敬な、これは双覇一閃流といって立派な武法の一つだ!!」
エグザード「それが和洋だっての!」
J・ジーク「口で言っても解らないのなら体に叩き込んでやる!!ウェニアント・ウルズ・コダマ!!(いでよ・木の・木魂!!)」
ブレイザー「うわっ!こんなとこで刻印獣を召喚するな!」
ユミカ「え〜い、うるっさ〜い!!」
ユミカが二人(+一匹)の間に入り込み瞬く間に二人(+一匹)を弾き飛ばす
二人は「キラーン」と星になった
ブレイザー「あ、あの〜今のは・・・」
ユミカ「あ、私これでも八極拳の免許皆伝クラスなのよ♪」
ブレイザー「あ、そう・・・」
ブレイザーはこう思った「ユミカを絶対に怒らしてはいけない」と
【グランジル王国】
ユミカ「さぁて着いたわ、ここがグランジル王国」
エグザード「へぇ〜、ここが・・・」
ブレイザー「驚いたな、まさかここまで発展している国があるなんてな」
J・ジーク「人の数も多いな、皆武闘殺陣の参加者や見物者か?」
ユミカ「まぁね〜、この国一番のイベントだし、新しい国王になってから存続が問われたみたいだけど」
ブレイザー「新しい国王?」
ユミカ「そう、前の国王が急死しちゃって、子供もいなかったみたいだし
急遽優秀な人物が国王になったらしいんだけど・・・」
ブレイザー「何か問題でも?」
ユミカ「新しい国王が旧イークァル族、しかも元死刑囚の極悪人って噂よ」
エグザード「なんでそんな奴が国王なんかになれんだよ!?」
J・ジーク「今の世界の状況では昔の経歴など簡単に消せるだろう、だがこの国がいつまで持つかは・・・そいつ次第だな」
ブレイザー「けどよ、そいつのおかげで俺達も武闘殺陣に参加して大儲けできるんだ、さっさとエントリー済ませようぜ?」
エグザード「そーだな、よーしいっちょ派手に暴れてやるか!!」
二人はダッシュでエントリー会場に向かっていった
J・ジーク「お、おい!・・・まったくあいつらときたら・・・」
J・ジークは少々呆れながらついて行く
ユミカ「あの二人ほんとに勝てるのかなぁ・・・」
J・ジーク「あいつらの実力は本物だ、その辺は心配あるまい
(だが・・・気になるのは旧イークァル族の国王・・・権力を手に入れる為か?他に別の目的があるようにも思えるな・・・)」