―第四話― 黒き雷(いかずち)の旋律

 

―其ノ壱―

錆付いて、ボロボロになった壁や天井
周りには無造作にドラム缶や鉄筋がある
ここはまるで廃棄された倉庫の様だ
そこに切れる息が複数、そして後に続く大勢の息切れと声・・・

 

ざわざわざわ・・・・・・

 

エグザード「ちっ・・・」

ブレイザー「・・・くそっ!」

J・ジーク「・・・・・・・・・」

 

現在、ユミカ除く三人はある指名手配のマフィアのアジトに潜り込んでいた
そう、潜り込んだまでは良かったが・・・・
案の定、敵に見つかった挙句、大勢の敵に囲まれている状況にいた・・・

 

エグザード「ざっと見て300近くいんじゃねぇのか・・・」

J・ジーク「いや、先程5人倒した分減り、今は三百飛んで二人・・・」

ブレイザー&エグザード「細けーよ!!」

エグザード「んで・・・どうする?この状況」

ブレイザー「そりゃ、もうぶっ飛ばすしか無いんじゃないかぁ・・・」

J・ジーク「あまり効率の良いやり方では無いがな、第一さすがにこの数は・・・」

ブレイザー「おや〜?今更怖気づいたんですか、刻印術師さん?」

ブレイザーは皮肉そうに言う

J・ジーク「ふんっ・・・まさかっ!」

J・ジークは少し低い声で言い放つ

 

そして敵の集団が一斉に飛び掛ると同時に散開、攻撃に転ずる三人
三人の攻撃は一瞬にして大勢の敵を薙ぎ倒していく
だが、それでも数が多すぎるのか、一向に敵の数は衰えず体力を浪費していくばかりだった

 

三人は互いに背を合わせた状態で身構えるが、敵の人数は減らないばかり
それどころか、逆に増えているようにさえ見えていた

エグザード「さっ、さすがに・・・ぜぇ、ぜぇ・・・」

ブレイザー「はぁ・・・、文句・・・いう・・な・・・、はぁ・・・」

J・ジーク「・・・・・・くっ!」

 

???「だらしないな、それが双覇一閃流皆伝した者の姿か!?」

J・ジーク「そ、その声は!?」

ブレ&エグ(+戦闘員共)「??????」

シュタッ!

突如三人の前に一人の男が降り立つ
イークァル族ともガンダム族とも違う・・・、エンヴィ族の姿をしていた

 

J・ジーク「プレズバーン殿・・・」

ブレ&エグ「「プレズバーン?」」

J・ジーク「あぁ・・・、我が流派、双覇一閃流を学んだ者で私の兄弟子だった御方だ」

エグザード「ジ、ジークの・・・」

ブレイザー「兄弟子・・・!?」

プレズバーン「そんな話は後だろ!今はこの状況を打破する方が先決だ!!」

J・ジーク「はっ、はいっ!」

ブレ&エグ「「俺達にまで指図すんなーっ!!」」

プレズバーン「紫電一閃!!」

J・ジーク「薙爪!!」

ブレイザー「えぇーい!ブリットパニッシャーァァァッ!!」

エグザード「グラビティ・ゼロ!!」

ジュドォォォォォンッッッ!!!

J・ジーク「よしっ、今のうちに一度退くぞ!」

ブレ&エグ「「だから仕切るなっての!!」」

プレズバーン「・・・・・・・・・・・」

 

かくして三人とプレズバーンは見事マフィアのアジトから脱出することに成功した
しかしマフィアの手から完全に逃れた訳ではない・・・

 

エグザード「・・・なんか俺等らしくない方向に進んでるよな?」

ブレイザー「言うな・・・俺達の出番が悲しいぐらい惨めになる・・・」

 

NEXT?